肉離れ
こんなお悩みはありませんか?
運動の後一部の場所で激しい痛みがある
運動中に”プチッ”という音を聞いた
痛みのある場所に凹みや変色が見られる
圧すと激しく痛む
痛い場所の近くの関節を動かすと痛みが強くなる
これらの症状に心当たりのある方はいらっしゃいませんか?これらの症状はもしかしたら肉離れの症状の可能性が高いです。
肉離れとは筋肉の繊維が一部又が損傷している状態となっています。なので、放置してそのまま運動をするとその周りの筋繊維を巻き込み、さらに症状が悪化してしまうかもしれません。
肉離れで知っておくべきこと
肉離れが発生する原因は、運動(筋肉の収縮)を行った際に筋肉が伸ばされることによって起こります。これにより、縮こまろうとする筋肉が逆に引き伸ばされ、筋肉の繊維が断裂を引き起こします。
肉離れについて知っておいていただきたいことが2つあります。
1つ目は、肉離れが起きた際の処置を行う時間です。肉離れを起こしてから3日までの期間を急性期と呼びます。この急性期の処置が今後に大きな影響を与えるため、非常に重要です。
2つ目は、処置の仕方です。いくら早期に処置を行っても、方法を間違えてしまうと、効果が期待できないどころか、症状を悪化させてしまうことがあります。
この2つを正しく理解していれば、症状が長引いたり悪化したりするリスクを大幅に減らすことができると考えます。
症状の現れ方は?
肉離れが発生するタイミングは、ダッシュや急停止、ジャンプや着地の際です。このタイミングで筋肉から「プチ」という音が聞こえることが多いです。その後、痛みを伴うことが一般的です。
肉離れにはⅠ度からⅢ度の度合いがあり、Ⅱ度以上の場合、内出血や炎症が見られることがあります。また、度合いが強ければ、損傷部位に筋肉の凹み(陥凹)が見られることもあります。
Ⅰ度やⅡ度の軽度の場合、症状は比較的軽く、歩行も可能です。ただし、重度のⅡ度やⅢ度の場合、損傷部分が広範囲であったり、筋肉が完全に断裂している場合、歩行が困難になることがあります。
その他の原因は?
肉離れの原因は主に筋肉のオーバーユース(使いすぎ)ですが、それ以外にも原因があります。それは筋肉の衰えです。代表的なものが“筋肉の線維化”です。この線維化は大きく分けて“筋力の低下”と“筋肉の柔軟性の低下”に分かれます。
筋力の低下は、怪我などでしばらく安静にしていた後に運動を再開すると起きやすくなります。
柔軟性の低下は、筋肉が硬くなった状態で急に運動を始めると起きやすくなります。特に柔軟性は、運動をしばらく行わないと低下し、冬場など寒い時期にはウォーミングアップが不足していると発生しやすくなります。これからの季節は特に注意が必要です。
肉離れを放置するとどうなる?
結論から申し上げますと、肉離れを放置するのは非常に危険です。なぜなら、肉離れは後遺症を引き起こしやすく、後遺症が出ると運動のパフォーマンスが著しく低下する恐れがある怪我だからです。
内出血が放置されると、瘢痕組織が形成され、周囲の筋肉に不必要な負荷がかかり、結果的に肉離れを繰り返す恐れがあります。瘢痕組織は筋繊維に比べて硬く、伸びにくい性質があり、筋肉をうまく動かすことが難しくなります。特に、軽度の肉離れの場合、運動を続けてしまうことがあり、放置しやすいので注意が必要です。
また、肉離れがひどくなると、最悪の場合、コンパートメント症候群という症状に進行し、切断を余儀なくされることもあります。
当院の施術方法について
当院の施術では、原則としてRICE処置を意識しています。RICE処置とは、Rの安静、Iの冷却、Cの圧迫、Eの挙上です。それを意識したうえで、電気機器とアイシングによる痛みと炎症の軽減、およびテーピングによる筋肉の安静と固定を行っています。
電気機器とアイシングは、内出血を引かせるために行います。これは日常生活での痛みの予防を兼ねており、内出血が筋肉の血流をせき止めることで起こるコンパートメント症候群を予防するためにも行います。
テーピングは、切れた筋繊維を近づけて筋肉の回復期間を短縮することや、動きを抑制して筋繊維が離れるのを防ぐことが期待できます。
改善していく上でのポイント
軽減していくためのポイントとしては、繰り返し施術を行うことと、あまり期間を空けないことです。これは非常に重要なことで、定期的に筋肉の状態を確認することで、運動を再開するタイミングの指導や、症状の変化に合わせた施術が可能となります。また、期間を短くすることで自然治癒力を高め、より短い期間での回復が期待できます。
しかし、施術を受ける上で患者様にはご理解とご協力が必要です。肉離れの多くはふくらはぎなどの足の筋肉に起こりやすい怪我です。ここを固定すると日常生活で不便に感じることが多いかもしれませんが、放置することはできない怪我ですので、施術にご協力をお願いいたします。